介護保険ってなに?②

介護保険ってなに?②

前回のブログでは、介護保険と実生活がどのように関わっているかについて書いてきましたが、今回は介護保険制度の概要について説明したいと思います。

前回のブログはこちら:介護保険ってなに?①

①いつから介護保険制度に加入するのですか?
医療保険は日本に生まれた瞬間から亡くなるまで強制的に加入する保険であることを以前のブログで説明しました。
では介護保険はいつから加入するのでしょうか?別の言い方をしますと、いつから被保険者となるのでしょうか?
第1号被保険者と第2号被保険者という2つの区分があるのですが、この区分で考えることになります。

第1号被保険者:市町村に在住する65歳以上の者
第2号被保険者:市町村に在住する40歳以上65歳未満の医療保険加入者

ですので、40歳以上になると強制的に介護保険に加入し、亡くなるまで加入をし続けることになります。

②保険料はいつから払うのですか?
〇第1号被保険者
65歳以上の方は原則として65歳からもらう年金から天引きされます。
〇第2号被保険者
保険料は40歳になった時から支払うことになります。サラリーマンの方であれば給料から天引きされます。

③保険料はどれくらい払うのですか?
〇第1号被保険者
保険料についてですが、これは全国一律ではなく市町村によって金額が変わります。
介護保険事業計画によるサービス量の見込みが各市町村によって違うのですが、その違いが保険料に影響します。
また、年収によって保険料が変わってきます。
大雑把に言いますと、年額約2万円~約18万円を分割した金額が年金から天引されて支払うことになります。
〇第2号被保険者
加入している医療保険によって料率が異なります。
これも大雑把に言いますと、給料の約1%を毎月の給料から天引して支払うことになります。

④誰が介護保険を利用できるのですか?
原則は第1号被保険者しか介護保険のサービスを利用できません。
ただし、第2号被保険者でも老化に起因する特定疾病により介護が必要な状態になった場合は利用が可能になります。

⑤どのような条件が整えば介護保険を利用できるのですか?
第1号被保険者であっても、要介護認定を受けないと介護保険は利用できません。(地域支援事業を除く)
医療保険だと、「風邪かな?」と自分で判断すれば病院にいくことでサービスを受けることができますが、介護保険の場合は市町村による「要介護認定」を受けて初めてサービスが利用できるようになります。
この「要介護認定」により「要支援1~2」「要介護1~5」というように認定され、そのレベルに応じて利用できるサービスが異なったり、利用できるサービスの上限が異なったりします。

⑥費用負担はどれくらいですか?
以下のように、所得に応じて負担割合が違います。
年収340万以上…3割負担
年収280万以上…2割負担
年収280万未満…1割負担
(※世帯収入などの条件より負担割合が変わることがあります)

⑦介護保険のサービスを利用するのは面倒そう…
介護保険は「高齢者自らの意思に基づいて利用するサービスを選択し決定する」ことを基本としています。
そして、サービスを受けるために「ケアプラン」を作成する必要があるのですが、これを高齢者一人で作るのはとても面倒です。
そこで重要な役割を果たすのが「ケアマネジャー」と呼ばれる方々です。
通常であれば、要支援者は地域包括支援センターのケアマネジャーに作成を依頼し、要介護者であれば居宅介護支援事業所のケアマネジャーに作成を依頼することになります。
ケアマネジャーは、一人ひとりの利用者のニーズに合わせたケアプランを作成し、スムーズにサービス提供が行われるようにサービス事業者に連絡や調整を行ったり、サービスが適切に行われているかのモニタリングを定期的に行ってくれます。
まさに「要」の役割を担ってくれますので、ケアマネジャーを決める前にぜひ会って人柄を知っておくことが大切になります。

⑧どんな種類があるの?
「介護のサービス」と「介護+医療のサービス」という2種類に分かれます。
また、それらもそれぞれ「居宅サービス」と「施設サービス」という2に分けることができます。
「介護のサービス」は身体介護や生活援助などのサービスを主に提供していて、「介護+医療のサービス」は医師の駐在を前提とした医療行為やリハビリ、療養指導などのサービスと介護サービスを一体的に提供します。
「デイケア」や「デイサービス」という言葉をよく耳にすることが多いと思いますが、「デイケア」が「介護のサービス」、「デイサービス」が「介護+医療のサービス」と考えてもらえるとわかりやすいです。
一方で「居宅サービス」は自宅で暮らす利用者に訪問や通所、短期入所として提供されるもので、それに対して「施設サービス」は福祉施設や保健施設などに入所した利用者に提供されるものです。

介護保険ってなに?②まとめ

さて、ここまで介護保険制度の概要を説明いたしましたが、いかがだったでしょうか?
制度ができて約20年ですが、その間に利用者のニーズや介護事業所の運営状況、働くスタッフの労働環境などに応じて様々な改正が行われ、今後もより良い制度となるための更なる改正が行われていくでしょう。
とは言え、少子高齢化が進むことによる財政面への影響を考えると、できるだけ全体の負担が少ないようにする必要もあるでしょうから、できるだけ重度な介護が必要とならないよう個人という最小の単位で出来ることをやっていく必要があります。

介護保険制度も今後は「予防」に力を入れていく流れとなるようですので、私達も普段から健康を意識し「予防」に努め、そして信頼する仲間や愛する家族と共に充実した人生をできるだけ長く送りたいものですね。

 

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